私は Leica M9 Monochrom をメインカメラとして使用している。
M Monochrom はデジタルなのにモノクローム専用機である。
つまり、カラーでは撮影できないということだ。
カラーで撮影したあと、モノクロームにすればいいではないかと思うかもしれない。
しかし、カラーからモノクロームにしたデータより M Monochrom のデータはシャープである。
私のようにモノクロームでアウトプットすると決めている人には、
M Momochrom はベストなカメラである。
カラーで撮影したいときは、iPhone でいいと思っている。

なぜ、Leica M Monochrom なのか。
答えはシンプルだから。
フォーカス、絞り、シャッター速度のリングの3つしかない。
カメラに必要なのはこれだけだ。

初めて買ったカメラは Canon EOS 5D Mark II だった。
写真愛好家やハイアマチュアをターゲットとしたミドルクラスの一眼レフカメラである。
5D MarkII を買った理由は、ムービーが撮影できるからだった。
ハリウッド映画でも使用されるほどのクオリティで、写真愛好家にはハイスペックすぎるカメラだ。

このカメラには、カスタム機能があり、ライブビュー機能、ADマイクロアジャスト、オートライティングオプティマイザー、ピクチャースタイルなどを個々に設定することができた。
なかでも、一番困ったのはピクチャースタイルだった。
風景用、人物用、ニュートラル、忠実、モノクロと
それぞれのシーンに、さまざまな設定をすることが可能な機能である。
CineStyle, Gamma Curves, CineLook, VisonColor, Crooked Flat, Marvels Cine, Shutter Down, Flatt など、
たくさんのピクチャースタイルが出回っていた。
どのピクチャースタイルが綺麗に撮影でき、編集に向いているのかなど色々と困らされた。
また、カスタムファームウェアの Magic Lantern もあり、
標準の機能に加え、HDR合成やRaw動画を撮影することが可能になった。

このときすでに「写真や映像について」ではなく「カメラ機能」しか調べなくなっていたのである。
常にテスト撮影を行い、新しい機能についてしか考えていなかった。
さらにひどくなり、レンズ性能やカメラリグ、フォローフォーカスなどといった機材にも調べるようになっていた。これでは良い写真や映像を撮れるはずがない。「カメラや機材のこと」しか考えていないのだから。

Leica にはこのような機能はない。普通の一眼レフのようなオート機能もない。
自分でフォーカスを合わせ、絞り、シャッターダイヤルを決め、レリーズボタンを押すだけである。
とてもシンプルである。
余計な機能について考えなくていいので、被写体に集中することができるのだ。
もし、被写体に集中したいのなら、写真を上手になりたいのなら、
私はシンプルなカメラを使うことを勧める。

Simple is Best.

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